日本最古のケーブルカーは、イヌにネコのカラフルな車両!(奈良県生駒市)


近鉄奈良線を生駒駅で下車し、少し歩いたところに近鉄生駒ケーブルの「鳥居前」駅があります。

近鉄生駒ケーブルは鳥居前駅~宝山寺駅間の「宝山寺線」、宝山寺駅~生駒山上駅間の「山上線」の2区間から形成されています。「宝山寺線」は日本最初の営業用ケーブルカーで「生駒聖天」と呼ばれている宝山寺への足であり、「山上線」は生駒山上にある遊園地「生駒山上遊園地」への足となっています。

開業したのは1918年(大正7年)8月、大阪電気軌道(現在の近鉄の前身)の関連会社である「生駒鋼索鉄道」の手によって開通した、日本では最古のケーブルカーです。後に生駒鋼索鉄道は大阪電気軌道に合併され、同社の生駒鋼索線となりました。

大阪電気軌道は開業直後の資金難の時に、経費や社員の給料として宝山寺から賽銭を融通してもらったこともあり、ケーブルカーの敷設はその見返りである、とも言われています。

1929年(昭和4年)3月、山上に出来た遊園地へのアクセス手段として「山上線」も開通しました。戦争中は「不要不急路線」として休止されますが、1945年(昭和20年)8月に再開されました。

インパクト大のケーブルカー「ブル」「ミケ」
現在の「宝山寺線(1号線)」を走る2台のケーブルカーには、それぞれ車掌の帽子をかぶった犬(ブルドッグ)を模した「ブル」、双眼鏡で景色を覗いた三毛猫を模した「ミケ」という名があります。ちなみにこの車両は2000年(平成12年)から運行を開始しました。

宝山寺駅での「ミケ」です。車内では「ネコふんじゃった」の音楽が流れ、途中で「ブル」とすれ違う時は「ニャ~ン」と鳴き声を発する楽しいケーブルカーです。(通勤通学時間帯の輸送では、音の演出はありません)

上から見た「ミケ」の車内です。クロスシートが、山麓方向に一方向でずらりと並んでいました。普通の観光用ケーブルカーは、座席がボックス席仕様になているなど観光客輸送を意識した感じで造られていますが、この近鉄生駒ケーブル「宝山寺線」では、通勤通学輸送としても使用されるので、座席も1人掛けを増やして立席で多くの人が乗車できるようになっています。

中間ですれ違った「ブル」です。こちらは車内では「ピクニック」の音楽が流れ、すれ違いの時には「ワン」と鳴き声を発する楽しいケーブルカーです。(通勤通学時間帯の輸送では、音の演出はありません)

「日本では最古!」宝山寺2号線のケーブルカー
「宝山寺線」には2号線もあり、こちらには1953年(昭和28年)製造の「すずらん」(朱色と白)、「白樺」(青と白)の2両が在籍しています。

鳥居前駅での「すずらん」号です。レトロな造りで、自分好みでした。この2号線は、現在では大晦日の終夜運転や、夏休みなどの繁忙期にのみ運行しているそうです。

宝山寺駅での「白樺」号です。この車両だけ漢字表記になっていますが、その理由には思わず笑ってしまいました!

それは、昔風に右から読むと「ばからし」と読まれてしまうから、という理由だそうです。何とも関西らしい理由ですね!この2両が、日本国内では現役で稼働する最古のケーブルカーなのです。

通勤通学にも使用されているケーブルカー
山上遊園地への観光輸送がメインの山上線に対して、鳥居前~宝山寺間の宝山寺線は、沿線の通勤・通学輸送も担っているのが特徴です。運行時間帯は6時台前半から23時台後半までと長いのが特徴。大晦日には宝山寺への初詣客を対象とした終夜運転も行われるそうです。

こちらが「宝山寺線」の線路です。左側が1号線、右側が2号線です。生活路線としても活躍していることもあり、ケーブルカーとしては珍しい踏切が3ヶ所あり、うち1ヶ所は車なども通れるほどの大規模な踏切があります。

宝山寺駅に到着です。隣の2号線には「白樺」号が留置されていました。ここから「生駒聖天」の別名がある宝山寺までは、旅館街の中にある坂道を歩いて20分ほどで着きます。

「日本最古のケーブルカー」と謳っているだけあって、宝山寺駅にはケーブルカーの仕組みについての展示がありました。

まずは「ケーブルカーのしくみ」から。山上駅と山麓駅を同時発車して、中間点ですれ違うのが一般的なケーブルカーですが、その構造について図で詳しく説明してありました。これは、小学生のお子さんの自由研究の課題になりそうですね!

 

ケーブルカーの車輪が展示してありました。ケーブルの上下で動かす、という事は知っていましたが、この様な車輪で走っていたとは初耳で勉強になりました。

観光輸送の「山上線」

「山上線」では、「ドレミ」号と「スイート」号という2台のカラフルなケーブルカーが活躍しています。車両が行き違う際、拍手と歓声が鳴り、ファンファーレが鳴る楽しいケーブルカーです。観光路線にはピッタリですね!

「山上線」には、途中に梅屋敷駅、霞ヶ丘駅の2ヶ所の途中駅がありますが、便によっては途中駅を通過する「直行」という種別も存在するそうです。

この「山上線」の終点にある山上遊園地には、日本最古の飛行塔があるそうです。そちらもいつか行ってみたいと思います。大阪からの「小さな旅」に、日本最古のケーブルカーの旅はいかがでしょうか?

乗り心地の悪さが人気!須磨浦山上遊園(兵庫県神戸市須磨区)のカーレーター


神戸から山陽電車に乗り、「須磨浦公園」駅で下車。ここには山陽電鉄グループの遊園地「須磨浦山上遊園」があります。そこへは、幾つかの乗り物に乗り継いで行きます。


最初に乗るのは、須磨浦ロープウェイです。須磨浦ロープウェイには紅白それぞれ1台ずつのゴンドラがあり、白い方が「うみひこ」、赤い方が「やまひこ」の名前があります。開通したのは1957年(昭和32年)のことですから、今年(2017年)で60周年の還暦を迎えることになります。ちなみに現在のゴンドラは三代目で、2007年(平成19年)にデビュー。須磨浦公園駅から約3分の空中散策で、山上駅へ。眼下には須磨の海岸線や、周囲の山々を一望することができます。


山上駅から回転展望閣までは、全国唯一の「カーレーター」で移動することになります。こちらは、車の「カー」とエスカレーターの「レーター」を組み合わせた造語で、全国唯一の「動く登山道」として、1966年(昭和41年)3月18日に開業しました。開業当時はゴンドラが44台ありましたが、現在では18台で稼働しています。

 


従来のベルトコンベヤーやエスカレーターと違い、斜面等で速度を変えられる
システムとして1960年頃に開発されました。斜距離91m、勾配25度の斜面を2分20秒で登る事が出来ます。かつては滋賀県の「びわ湖バレイ」にもこの「カーレーター」があったが、1975年に廃止されたため、この「須磨浦カーレーター」が全国で唯一の存在となってます。


この「カーレーター」の最大のウリは「乗り心地の悪さ」。その乗り心地の悪さが、どれ程のものであるか知りたかったので早速、乗ってみることにしましょう。ターミナルは、テニスのラケット状になっており、上から下ってきたゴンドラが一周する形になっています。


係員に「このバーにしっかり掴まってください!」と言われて乗り込みます。
出発すると、ガタガタといきなり強い揺れ。これから山を登っていくのです。登
っている間ではそう揺れは感じないが、ターミナルを出発するときと到着するときは、斜面から水平面に変わるため、強い揺れを感じます。ちなみに運転速度は、乗降場部分25m/分、中間部40m/分。

同遊園HPでも「体調の優れないお客さま、また、妊婦の方は平行してあるハイキングコースをご利用ください」と謳っているように、揺れはすごかったです。でも、その揺れこそがこの「須磨浦カーレーター」の最大の売りで、NHK「ブラタモリ」でも紹介されたほどです。

 


終点はテニスのラケット状になっており、左側から降りることになります。降りる際は、しっかりとレバーを握りましょう。


上から見たカーレーターの外観です。下の方に見えるのは、須磨海づり公園です。

この「須磨浦カーレーター」の終点には、六角形のビア樽の形をした三階建ての「回転展望閣」があります。


1階は無料の休憩室となっており、須磨浦や全国各地のロープウェイに関する資料が展示してあります。また、今となっては珍しく懐かしいジュークボックスも現役で稼働しており、1曲100円で70~80年代の曲を聴く事が出来ます。私が行った時も、懐かしの音楽を聴きながらくつろいでいた人がいました。


2階は、家族で楽しめるゲームコーナーとなっています。お子様向けのゲームの他、幼児向けの室内遊具などがあります。中でも、これまた昔懐かしいインベーダーゲームが5台、今でも現役で稼働しています!

ちなみに3階には、回転喫茶「コスモス」があります。飲食代の他に大人100円、小学生50円の入場料がかかります。喫茶を楽しみながら、45分間で360度1回転するようになっています。天気のいい時は神戸方面や淡路島や明石海峡大橋はもちろんのこと、関西空港方面まで一望することが可能です。


それでは、今度は観光リフトで山上遊園を目指すことにしましょう。回転展望閣(鉢伏山)のせっつ駅と山上遊園(旗振山)のはりま駅を結ぶ、1人乗りの観光リフトで所要時間4分15秒。秒速1mの1人用リフトで、のんびりと進みます。


このリフトは、動いている途中で、旧摂津国と旧播磨国の国境を越えるのが特徴です。リフトから見える明石海峡大橋の風景が最高でした。またまた、リフト沿いにハイキングコースもあり、15分程度で並行して歩くことが可能となっています。

この山上遊園には、ふんすい広場、バーベキューコーナー、サイクルモノレール、ミニカーランドがあり、お子様連れに最適なところです。


こちらがサイクルモノレールです。海に突き出すように線路があるので、ちょっとスリルのある空中散歩です。


ミニカーランドです。アンパンマンや各種キャラクターのコイン式ミニカーが揃っています。

季節を通じて、様々なイベントを行っていますので、皆さまもお出かけになられてみてはいかがでしょうか?

【アクセス】山陽電鉄「須磨浦公園」駅下車すぐ。

【料金】山上遊園へ来訪の場合は、ロープウェイ、カーレーター、回転展望閣、観光リフトの代金が全てセットになった「往復割引回遊券」の方がオトクです。

*往復割引回遊券(観光リフトあり)大人1,800円、小児1,350円

*往復割引回遊券(観光リフトなし)大人1,200円、小児750円

「北海道三大夜景」藻岩山へ、ロープウェイとミニケーブルカーで!(北海道札幌市)


一般的に「北海道三大夜景」と言われているのが、札幌・藻岩山、小樽・天狗山、函館・函館山の三つです。中でも札幌の藻岩山は、標高531mと山の高さとしては高くない方ですが、自然に囲まれているのが特徴です。最近では、神戸、長崎と並んで「日本新三大夜景」という称号まで与えられたそうです。

この藻岩山はロープウェイの他、中腹駅まで登ることのできる「観光自動車道」(冬季は通行止)、さらに山上まで登ることのできるケーブルカー「もーりすカー」など、乗り物の要素にも恵まれています。

ススキノから市電に乗って「ロープウェイ入口」電停で下車します。その後、すぐ近くのシャトルバス乗り場から無料バスに乗ること5分でロープウェイの山麓駅に到着します。このバスは「地球にやさしく」ということで、バイオディーゼル燃料を使用しているのが特徴です。

バスを降りますと、エレベーターで4階にある藻岩山ロープウェイの乗り場へ向かいます。あたりを見まわすと、いるのはカップルと外国人のグループ客ばかりで、私みたいな「一人旅」は全くいませんでした。夜景の時になると、客層が変わるのかなと感じました。

ケーブルカー「もーりすカー」とセットになった往復のチケットを購入し、ロープウェイ待ちの行列に並びます。あまりの行列の長さに2便待つような感じで、ようやく乗車できました。 続きを読む 「北海道三大夜景」藻岩山へ、ロープウェイとミニケーブルカーで!(北海道札幌市)